- 1. 若鶴酒造 三郎丸蒸留所について
- 2. 竹鶴酒造三郎丸蒸留所見学の流れ
- 3. 三郎丸蒸留所見学内容
- 4. 若鶴酒造三郎丸蒸留所データ
- 5. 三郎丸蒸留所へのアクセス
若鶴酒造 三郎丸蒸留所について
若鶴酒造は富山県の日本酒造り酒屋
1862年に当時の富山県砺波郡三郎丸村で日本酒造りを開始したのが若鶴の始まりです。会社が設立されたのは1918年です。
三郎丸蒸留所は北陸唯一のウイスキー蒸留所
北陸で唯一ウイスキーを製造している蒸留所です。一番有名なブランドは「サンシャインウイスキー」です。
若鶴酒造は第二次世界大戦後に清酒以外のお酒の製造を展開しました。1949年に焼酎甲類製造免許を取得し、1952年にウイスキー製造免許を取得しました。
しかし、1953年5月11日午後11時半ごろ、アルコール蒸留棟付近から火災が発生。3時間に燃え続け、施設の大半が焼失してしまいました。その後、地元住民の助けもあって、わずか半年間で再建されました。
その際、蒸留施設はできる限り最新のものを導入し、蒸留器はフランスのメル社のアロスパス式蒸留器が採用されました。(連続式蒸留器)

クラウドファンディングで資金を集め蒸留所再建
2016年9月、三郎丸蒸留所改修プロジェクトが立ち上がりました。3か月間のクラウドファンディングによって463人の支援、目標2500万円を大きく上回る3800万円の資金が集まりました。
そして2017年7月に三郎丸蒸留所の改修が完成し、現在の姿になりました。
竹鶴酒造三郎丸蒸留所見学の流れ
2日前までに必ず電話予約が必要
三郎丸のホームページに予約状況カレンダーがあります。空き状況を見て、行く日時を決めたら電話で予約をしましょう。インターネットでの予約は現在のところありません。
見学は2021年現在、1日3回あります。
三郎丸蒸留所へ
三郎丸蒸留所はJR城端線の油田駅を出てすぐです。駅舎を出て真っすぐの道路へ進んで徒歩1分です。
敷地内入ってすぐ左手にある新しい建物(大正蔵)が受付です。
見学の流れ
大正蔵で説明→三郎丸蒸留所→大正蔵で試飲
見学40分、試飲20分ほどでした。
三郎丸蒸留所見学内容
蒸留所改修はクラウドファンディングの資金で行われた
クラファンによってたくさんの企業、個人からの寄付が集められ蒸留所が改修が行われたそうです。
企業名や、個人の場合は見学時に木札が設置されます。※クラファンは既に締め切られています

室ジェクションマッピングで三郎丸蒸留所の歴史やウイスキー製法を体感
建物2階奥は、かつて日本酒の糀(こうじ:お米のデンプンやたんぱく質を分解する菌)を培養していた、室(むろ)を改装した映写室になっています。
室のプロジェクションマッピングなので“室ジェクションマッピング”という名前だそうです(*’▽’)
余談ですが、WiiUなどが置かれていたので、職人さんたちはお休み中にここでゲームしたりしてるんでしょうね。大画面なのでうらやましい!(;”∀”)

モルトミル(粉砕機)でモルトを粉砕する
モルトスターから仕入れたモルト(大麦麦芽)を機械で粉砕し、グリスト(粉砕後のモルト)を作ります。
三郎丸蒸留所のウイスキーはスモーキーさが特徴で、すべてヘビーピーテッドのモルトを使用しています。
アランラドック社のAR2000という製品が使われていました。

マッシュタン(糖化タンク)で麦芽ジュースを作る
モルトミルで粉砕したモルトと温水をこのタンクで混ぜ合わせると、モルトの酵素によってデンプンが糖分に変わる”糖化”が行われ、甘いお粥状の液体ができます。これを濾過するとウォート(甘い麦芽ジュース)になります。
三宅製作所の製作です。

ウォッシュバック(発酵槽)で糖分をアルコールに変える
ウォートをウォッシュバックに移し、酵母を加えます。酵母が糖分をアルコールと二酸化炭素に分解され、ウォッシュ(もろみ)ができます。
ウォッシュのアルコール度数は約7%です。

2020年に木製のウォッシュバックを導入
素材はカナダ産の米松(ダグラスファー、オレゴンパイン)です。見学時は水が張られている状態でしたが、酸味のような乳酸菌の香りがしました。
2020年のニューポットは、木桶で醗酵したものも使われています。

ポットスチル(単式蒸留器)で蒸留してアルコール濃度を高める
ウイスキー蒸留所の心臓部ともいえるポットスチルです。
左が初溜器(1回目の蒸留に使われる)、右が再溜器(2回目の蒸留に使われる)です。
ウォッシュを温めると、アルコールは水より沸点が低い為、先にアルコールが蒸発します。蒸発したものを冷やすことによって、アルコール分と香り成分を多く含む無色透明の「ニューポット」が作られます。ニューポットのアルコール度数は約70度です。
三郎丸蒸留所のポットスチルについて
「ZEMON(ゼモン)」という名前が付けられています。
ポットスチルはほとんどが銅製で銅板を叩いて成形する鍛造(たんぞう)で作らています。
三郎丸蒸留所の特徴は、富山県高岡市の伝統的な鋳造技術で造られていることにあります。鋳造(ちゅうぞう)とは砂で作った型に金属を流し込んで加工する技術です。

三郎丸蒸留所のポットスチルのスペック
- 容量:3000L
- ネック:短いランタンヘッド
- ラインアーム:下向き
- 加熱:初溜器…直接蒸気と間接蒸気の並列 再溜器…間接蒸気
鋳造による利点(三郎丸蒸留所さんの説明より)
- 原料に青銅(銅と錫(すず)の合金)が使われており、錫はお酒をまろやかにすると言われています。合金の割合は銅90%、錫8%、亜鉛2%とのこと。
- 厚みがあり、高寿命かつ熱効率が良い
- 表面に細かな凹凸があり、蒸留液の不快な成分の吸着をしやすいと言われています
地元の伝統的な技術をうまく取り入れて、その地域の特色をより引き出しているという点が何よりも素晴らしいと思います。
ZEMONの名前の由来
製作したのは富山県高岡市にある老子製作所(おいごと読みます)。
老子製作所は梵鐘造りが得意なメーカーです。広島県の平和記念公園にある「平和の鐘」も老子製作所の製作です。
ゼモンは老子製作所の屋号である老子次右衛門(おいごじえもん)から名付けられたそうです。
樽に詰めてウェアハウス(樽熟成庫)で熟成
建物の1階が熟成庫になっています。こことは別に空調が効いた低温熟成庫もあるそうです。
樽はバーボン樽やシェリー樽のほか、地ワイン樽や地元のミズナラの樽もあります。

三郎丸蒸留所の試飲はウイスキーだけでなくたくさんの日本酒が楽しめる!
見学の最後に、最初に集合した大正蔵に戻ります。
ここでは10種類以上のお酒が用意されていて、自由に呑むことができます。
ウイスキーは「サンシャインウイスキー」と「サンシャインウイスキープレミアム」、ウイスキーで仕込んだ梅酒「UMESKY(ウメスキー)」がありました!どれも美味しいです(*’▽’)
サンシャインウイスキーウイスキのほか、
この試飲ですが、300円追加すると特別な日本酒を呑むことができます。絶対おすすめです🤤
これで見学は解散ですが、隣の建物「令和蔵」でも有料試飲ができます🤤

有料試飲の主なメニュー
- ニューポット3年セット(2018年~2020年) 500円
- 三郎丸1960 9000円
- 三郎丸1990 1200円
- MOON GLOW First Release 700円


若鶴酒造三郎丸蒸留所データ
名称 | 若鶴酒造 三郎丸蒸留所 |
所在地 | 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208 |
電話 | 0763-37-8159 (9:30-17:00 月曜日~金曜日) |
休館日 | 木曜日、年末年始など |
営業時間 | 10:30~17:00 |
入場料 | 無料 |
予約方法 | 電話のみ |
試飲 | 無料試飲と有料試飲あり |
売店 | 有り(令和蔵) |
見学所要時間 | 蒸溜所(ツアーガイド):約40分 試飲:約20分 |
トイレ | あり(きれい!) |
駐車場 | あり(無料) |
URL | https://www.wakatsuru.co.jp/saburomaru/ |
三郎丸蒸留所へのアクセス
東京や金沢方面から電車でのアクセス
新幹線の場合は新高岡駅へ、在来線の場合は高岡駅へ行きます。
高岡駅または新高岡駅からJR城端線に乗り、油田駅下車。約20分くらいです。
油田駅の目の前が若鶴酒造です。
名古屋や金沢から高速バスでのアクセス
名古屋や金沢などから、砺波駅または砺波市役所行きの高速バスがあります。
砺波駅から油田駅は隣の駅です。
砺波市役所から若鶴酒造は徒歩25分くらいです。