マルス信州蒸留所見学!ニッカ竹鶴政孝ノートを基にウイスキー造り

マルス信州蒸留所見学!ニッカ竹鶴政孝ノートを基にウイスキー造り

マルス信州蒸留所の紹介

マルス信州蒸留所

マルス信州蒸留所は長野で高い標高、きれいな自然に囲まれた場所にある

マルス信州蒸留所は1985年に本坊酒造(マルスウイスキー)が長野県宮田村に設立したウイスキー蒸留所です。本坊酒造としては、鹿児島、山梨に次いで3カ所目に設置した蒸留所になります。
中央アルプス駒ケ岳の山麓、標高798mにあります。
マルス信州蒸留所がある長野県宮田村は冬は氷点下15℃を下回る日も珍しくない寒冷地であり、適度な湿度をもたらす霧も多く、何より良質な水を有しています。
中央アルプスの雪解け水は、ゆっくりと花崗岩質土壌に浸透し濾過され、ウイスキーに最適な軟水となって地下120mから汲み出されています。
施設内には南信州ビール駒ヶ岳醸造所も併設されており、ビジター棟ではウイスキーのほか、地ビールを試飲することができます。

2020年9月10日にリニューアルオープンしました。

本坊酒造は焼酎を造りながら、ウイスキーに何度も挑戦し続けるメーカー

1872年、本坊松左衛門により設立された鹿児島県のメーカー。
焼酎、ウイスキー、ワインなど様々な酒類を製造しています。
ウイスキーに取り掛かったのは、1945年。
日本のウイスキーの生みの親、竹鶴政孝氏が摂津酒造に勤めていたとき、当時の上司である岩井喜一郎常務らが、1918年にスコットランドに派遣させました。
その2年後の1920年11月に帰国した竹鶴氏が岩井氏へ報告書として提出したのが2冊の「竹鶴ノート」と呼ばれるウイスキー実習報告書です。
岩井氏が竹鶴ノートを基に1960年に山梨に設立されるウイスキー蒸留工場設計と指導に携わります。
その後、山梨工場は閉鎖になりますが、1985年に長野県で新たにウイスキー蒸留所がオープンしました。

本坊酒造、マルスウイスキーの歴史

  • 1945年、岩井喜一郎が顧問に就任。
  • 1949年、ウイスキーの製造免許を取得。他社原酒のブレンド、販売を行う。
  • 1960年、山梨県に会社初となるウイスキー蒸留所を設立。ウイスキー生産を始める。
  • 1969年、山梨蒸留所が閉鎖。ウイスキー生産終了。
  • 1981年、鹿児島で会社2回目となるウイスキー蒸留所を設立。
  • 1984年、長野で本格的にウイスキーを生産する為、鹿児島蒸留所が閉鎖。ウイスキー生産終了。
  • 1985年、長野県で会社3回目となるウイスキー工場を設立。
  • 1992年、ウイスキー需要低迷に伴い、マルス信州蒸留所での蒸留を休止。
  • 2011年、マルス信州蒸留所での蒸留を再開。
  • 2016年、鹿児島県の津貫工場内にウイスキー蒸留所「マルス津貫蒸留所」を設立。

マルスウイスキーの名前の意味

一般公募から、本坊酒造創業当時からのイメージシンボルである「星」、それを火星であるMARSと、戦いの神、農耕の神という意味を持つMARSにちなみ、「マルス(火星)」が選ばれました。
以降、「マルスウイスキー」のブランド名で数々のウイスキーが生み出されています。
マルスブランド製品には、自然の恵みである農産物を使い、汗をかき知恵を働かせてできたものであるとの意味が込められています。

マルス信州蒸留所見学の流れ

マルス信州蒸留所の入口

蒸留所見学の予約方法

サイトに予約申請フォームがあり、見学の予約をすることができます。

私は2日前に行くことを決めたのですが、直前過ぎてフォームでは予約することができませんでした。電話をして予約が必要が聞いたのですが、特に不要とのことで直接行きました。ピークシーズンなどは人数制限を行う可能性もありますので、遠征される方は予約した方が無難かもしれません。

マルス信州蒸留所見学予約フォーム

マルス信州蒸留所へ

マルス信州蒸留所の入口

入るとすぐに2つの初代岩井式蒸留釜(ポットスチル)があります。

岩井喜一郎氏(1883年~1966年)が設計した蒸留釜には、銅製スチームコイル(コイル状のスチームパイプ)に蒸気を通して加熱する間接加熱が採用されていました。
1960年、山梨工場(現マルス山梨ワイナリー)に据付以来、1985年に当地へ移設され、更新時期を迎えた2014年まで稼働していました。

現在、稼働している蒸留釜は、泡立ちの激しい初溜釜にサイトグラス(覗き窓)を備え、間接加熱にあたり熱効率の高いステンレス製パーコレーター(筒型ののスチームポット)が採用されています。
釜の形状など基本的な部分は、岩井氏が設計した初代の規格が踏襲されています。

マルス信州蒸留所のポットスチル

ビジターが目にするマルス信州蒸留所の施設は大きく4つあります。

  • ビジター棟
  • 樽貯蔵庫
  • ウイスキー蒸留所
  • 南信州ビール駒ヶ岳醸造所(見学不可)

ビジター棟で蒸留所見学受付

マルス信州蒸留所のビジター棟

施設に入って右にあるビジター棟にある売店で受付を行います。紙に名前、住所などを記入します。

受付後、ネックストラップを受け取ります。

ビジター棟には試飲BARと売店がありますが先に見学に行きましょう。

樽貯蔵庫

ビジター棟を出てすぐ右の建物が樽貯蔵庫です。

蒸留所内は充分な換気ができない為、新型コロナウイルス感染防止の観点から見学不可でした。(2020年現在)

マルス信州蒸留所の樽貯蔵庫

中を見たかったですが仕方ないです(:_;)

なお、次に行く蒸溜棟にも樽貯蔵庫があるので、中には入れないですが覗くことができました。

樽貯蔵庫

ウイスキー蒸溜棟の見学

マルス信州蒸留所のウイスキー蒸溜棟

蒸溜棟に入るとすぐに2基のポットスチルが目に入ります。2014年に導入されたばかりだからなのか、とてもピカピカでした!

マルス信州蒸留所のポットスチル

ちょうど手前側のポットスチルで蒸留を行っていました。覗き窓を見ると泡立っているのが見えました。(写真では分かりづらいですが…)

ポットスチル

ポットスチル手前に管理する機器があります。右のポットスチルは蒸留中なので、溜液が流れていて、職人さんがサンプリングをしていました。
飲みたかった…🤤

ポットスチルモニタ

蒸溜器以外に、モルトミル(粉砕機)、マッシュタン(糖化槽)、ウォッシュバック(発酵槽)をガラス越しではありますが見ることができました。

見学中は粉砕を行っていました。

モルトミル

見学範囲としては以上です。ビジター棟に戻ります。

ウイスキー試飲

ビジター棟に試飲BARがあります。ウイスキーのほか、地ビールである南信州ビール、ソフトドリンクがあります。

以前あった無料の試飲はありませんでした。なお、試飲の支払いは現金のみです。

マルス信州蒸留所の試飲BAR
マルス信州蒸留所の試飲会場

ウイスキーやグッズの売店

マルスウイスキーの様々な商品、グッズ、南信州ビールなどが売っていました。

マルス信州蒸留所限定ウイスキーもありました。

売店は、クレジットカード、GOTOトラベルの紙クーポンが使えます。

マルス信州蒸留所売店、お土産コーナー

マルス信州蒸留所データ

名称マルス信州蒸溜所 本坊酒造株式会社
所在地〒399-4301
長野県上伊那郡宮田村4752-31
電話0265-85-0017
(9:00-17:00)
休館日12/29-1/4※臨時休業あり
営業時間9:00~16:00(試飲受付15:30迄)
時間はかなり厳密のようだったので、時間に余裕をもって行きましょう。
入場料無料
予約方法ネットで予約可能ですが、予約しなくても見学可能です。
試飲全て有料(無料試飲は無くなったみたいです)
売店有り(Bar&Shop)
見学所要時間蒸溜所(自由見学):約30分
ビジター棟(有料試飲や売店):約15分
トイレあり(きれい!)
駐車場あり(無料)
URLhttps://www.hombo.co.jp/factory/shinshu.html

マルス信州蒸留所へのアクセス

アクセス方法一覧

電車でのアクセス

JR飯田線で「駒ヶ根駅」または「宮田駅」を下車後、タクシーで約10分(約2,000円)

駒ヶ根駅から路線バスと徒歩でのアクセス

駒ヶ岳ロープウェイ線「駒ヶ根駅」乗車、「菅の台バスセンター」下車後(380円)、徒歩20分(約1.5km)
※バス停から北へ向かい、こまくさ橋という吊り橋を渡ります。
時刻表は下記でご確認ください
https://www.chuo-alps.com/fare/

車でのアクセス

「中央高速自動車道」の「駒ヶ根IC」より約5分
試飲される場合、近くのホテルを取って、そこから徒歩かタクシーもおすすめです。
私は駒ヶ根高原リゾートリンクスというホテルから歩きました。徒歩25分くらいです。

高速バスでのアクセス

駒ケ根バスターミナル停下車後、赤穂タクシーで約10分(約2,000円)
※駒ヶ岳ロープウェイ線「すずらん通り」乗車、「菅の台バスセンター」下車後、徒歩40分(380円)でも行けますが、バスの本数が少ないのと、かなり歩きます。

菅の台バスセンターから歩いて行く方法

菅の台バスセンターからマルス信州蒸留所へは徒歩で行くことができます。40分程度かかりますが、気候が良いシーズンであれば楽しい散歩になるかもしれません。

マルス信州蒸留所の裏手には大田切川がありますが、徒歩で「こまくさ橋」という吊り橋または、駒ヶ根キャンプセンター裏から渡ることができます。
ただし、大雨後で川が増水している可能性がある場合は危険ですので、駒ヶ根キャンプセンターからは行かないでください。

こまくさ橋から向かった場合、川沿いにそのまま歩けばマルス信州蒸留所の裏側から入ることもできます。

こまくさ橋経由で歩く経路(おすすめ)

菅の台バスセンターから、北に進むと(駒ヶ根ファームスというお土産屋の西側を北に進みます)、こまくさ橋という立派な吊り橋があります。吊り橋ですがかなり大きいので揺れはほとんどないです。

こまくさ橋
こまくさ橋
向こう岸から見た、こまくさ橋です。立派できれいな橋です。

向こう岸に着いたら、右側に川沿いに進みます。(東方向)

川沿いにひたすら20分歩くとマルス信州蒸留所に着きます。途中、不安になるような道になりますが、どのように歩いても絶対に着きますのでご安心ください。

こまくさ橋からマルス信州蒸留所へ
謎のカブトムシ、クワガタのオブジェ
こまくさ橋からマルス信州蒸留所へ

鉄塔を目指して歩きます。

裏口から入る場合は、川沿いにひたすらまっすぐ進みます。

こまくさ橋からマルス信州蒸留所へ
マルス信州蒸留所の外観
ボウモアみたいな外観(*’▽’)

駒ヶ根キャンプセンター経由で歩く経由(チャレンジャー向け)

こまくさ橋経由より若干近道です。事故があった場合は責任を負いませんのでご了承ください。

川注意

地図の通り、菅の台バスセンターから東へ進み、途中で北東に進むと、駒ヶ根キャンプセンターに着きます。

駒ヶ根キャンプセンター

駒ヶ根キャンプセンターの大きな建物の右側に進みます。

駒ヶ根キャンプセンター

キャンプファイヤー場を目指します。

駒ヶ根キャンプセンター

キャンプファイヤー場からマルス信州蒸留所は目の前です。

駒ヶ根キャンプセンター

流されたら終わりなので落ちないようにお願いします。

駒ヶ根キャンプセンター

付近のおすすめスポット 光前寺

早太郎という犬の伝説が残るお寺です。

伝説をざっくりいうと、今から700年前に遠州で田畑が荒らされないよう神様に毎年いけにえが捧げられていました。神様は実は怪物(老ヒヒ)で、光前寺に飼われていた早太郎が怪物を退治したものの死んでしまいました。

その早太郎のお墓が残されています。

お寺はヒカリゴケというキラキラ光る苔や、紅葉がきれいでした。

光前寺
光前寺
光前寺
光前寺
名称光前寺
所在地〒399-4117  長野県駒ヶ根市赤穂29番地
アクセス(1)駒ヶ根ICから車で3分
(2)JR飯田線駒ヶ根駅からバスで9分(⇒下車徒歩10分)
駐車場無料
参拝時間午前9時~午後4時
URLhttp://www.kozenji.or.jp/

蒸留所カテゴリの最新記事